民泊・簡易宿所の開業と運営にかかる費用の項目と、営業日数の上限をふまえた収支の考え方を整理します。
開業の前にかかるお金
金額は物件や地域で大きく変わるため、ここでは項目を挙げます。見積もりは、必ず物件ごとに取ってください。
- 物件:購入費、または賃料・敷金・礼金など。賃貸では、民泊を承諾してもらう条件が付くこともあります
- 安全措置・消防設備:非常用照明、自動火災報知設備、誘導灯、防炎カーテンなど(必要かどうかは物件の条件で決まります)→ 設備と消防
- 家具・家電・備品:寝具、タオル、調理器具、消耗品など
- 内装:必要に応じて、修繕や模様替え
- 写真・掲載の準備:予約サイトに載せる写真、説明文、ハウスマニュアル
- 手続き:書類の取得費用、専門家に頼む場合はその報酬。旅館業の許可では申請手数料がかかります(例:港区の簡易宿所は11,000円)
- 建築の手続き:簡易宿所で用途変更の床面積が200㎡を超える場合は、建築確認の申請が必要です
運営でかかるお金
- 予約サイトの手数料
- 清掃・リネンの費用
- 消耗品の補充
- 水道光熱費・通信費
- 住宅宿泊管理業者などへの委託料(委託する場合)
- 保険料
- ごみの処理費用(多くの自治体で、事業系ごみとして処理を求めています)
- 税金(所得税・住民税、場合により消費税)→ 税金と申告
宿泊税は宿泊者が負担する税金ですが、事業者が預かって納めます。東京都では2027年4月1日の宿泊分から民泊も対象になります。
収支は「売れる日数」から考える
民泊の売上は、おおまかに「1泊あたりの売上 × 泊めた日数」です。泊めた日数は、法律の年180日と、区や市の条例の制限を超えられません。
- 物件の地域で、1年に何日営業できるかを確かめる
- その日数のうち、実際に予約が入る日数を控えめに見積もる
- 1泊あたりの売上から、清掃費・手数料などの1泊ごとの費用を引く
- 賃料や委託料など、毎月かかる費用を引く
年63日しか営業できない地域と、年180日営業できる地域では、同じ物件でも収支がまったく違います。日数の上限がない簡易宿所と比べるのも有効です。→ 民泊・簡易宿所・特区民泊の違い
資金の調達
旅館業の許可を受けた簡易宿所は、日本政策金融公庫の生活衛生貸付の対象になります。住宅宿泊事業法の民泊は対象外です。